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「伝わる資料」とは?都留市職員向けプレゼンテーション研修を実施しました

「伝わる資料」とは?都留市職員向けプレゼンテーション研修を実施しました

「型を活用したプレゼンスキル向上」×「5分で伝わる資料作成」

行政の仕事では、市民や関係者に向けて正しく、わかりやすく情報を伝える力が求められます。しかし、日々の業務の中で資料作成を効率よく、かつ効果的に行うのは意外と難しいものです。

今回の研修では、「型」を活用した資料作成のポイントを学び、実際に業務を題材にしたプレゼン資料を作るワークショップを行いました。

背景:「ペーパーレス化」推進の中で浮かび上がった課題

都留市では、ペーパーレス化の推進により、これまでの会議スタイルが大きく変わりました。従来は、紙の資料を持ち寄り、口頭で補足しながら議論する形式が一般的でしたが、デジタル化が進んだことで「デジタルで作成された資料を見ても、何を議論し、何を決めるべきかが伝わらない」という課題が浮き彫りになりました。結果として、意思決定の場で重要なポイントが見落とされるリスクが高まりました。

この状況を受け、市からの依頼を受けたC-tableは、「わかりやすく伝える」スキルを身につけることを目的に、プレゼンテーション研修を企画・実施しました。

研修内容の設計にあたっては、都留市役所の担当者と綿密なヒアリングを実施し、現状の課題やニーズを把握。その中で「単なるスライド作成の技術ではなく、情報整理の仕方そのものを理解することが重要である」との共通認識に至りました。さらに、現行の会議資料を分析し、どのような情報が伝わりにくいのかを具体的に整理しました。

その結果、研修では 「型」を活用した情報整理のプロセス に重点を置き、誰でも伝わりやすい資料を作成できるようになることを目指すワークショップを設計しました。本研修では、「5分で伝わる」資料作りをテーマに、誰でも明快なプレゼン資料を作成できることを目指しました。

研修の概要:「5分で伝わる」資料作成とは?

2日間にわたる研修では、「型」を活用し、誰でもわかりやすい資料を作れるようになることをゴールとしました。

1日目:伝わる資料の基本を学ぶ

・「わかりやすい資料」の原則を学ぶ
・情報の整理方法を実践(ワーク1)
・自分の業務を伝える資料を作成(ワーク2)

2日目:実践とフィードバック

・市民向けにわかりやすい資料を構成する(ワーク1)
・グループでスライドを作成し、発表

研修のポイント:「型」を使えば誰でも伝わる資料が作れる

今回の研修では、都留市職員が 「型」を使って、わかりやすい資料を作る ことを体験しました。また、視点を変えて情報を整理する ことの重要性を学びました。

1日目は、「伝わる資料とは何か?」を考えるところからスタート。職員の皆さんには、長い文章を整理し、「タイトル・キーメッセージ・サマリー」という構成で、業務内容を簡潔に伝える練習をしていただきました。普段、自分が知っている業務だからこそ、「何をどう伝えれば良いか」が曖昧になってしまうことがあります。そこで、「相手が知りたい情報は何か?」という視点に立って整理する ことを意識しました。

2日目は、実際に 「5分で伝わる資料を作る」 というテーマで、より実践的なワークに挑戦。都留市の長期総合計画に基づいたリーディングプロジェクトを題材に、グループで構成を考え、スライドを作成しました。「市民が知りたいことは何か?」「どう伝えれば行動につながるのか?」といった視点を意識しながら、情報の取捨選択を行いました。 伝えたいことを整理し、視覚的にも伝わる工夫をする過程は、まさに実践そのもの。各グループが工夫を凝らしながらスライドを仕上げていく様子が印象的でした。

ワークの様子(1日目):

ワークの様子(2日目):

参加者の声:「伝える」ことへの意識が変わった

研修終了後のアンケートでは、多くの職員から「自分の資料作成の課題に気づいた」「今後の業務に活かせる」といった声が寄せられました。

・「これまで感覚でやっていた部分が、ルールとして整理された」
・「型に沿って作ると、思ったより簡単にまとまった」
・「説明のポイントが明確になり、プレゼンが楽になった」

このように、研修を通じて、単なるスライド作成スキルだけでなく、日々の業務の中で「伝える力」を向上させるきっかけとなりました。

今後の展望:「伝える力」をあらゆる場面で活かす

都留市役所では、研修で学んだ手法を庁内の情報共有や業務の効率化に活かすとともに、市民向けの情報発信にも役立てていくことが期待されています。ペーパーレス化が進む中で、わかりやすい資料作成の重要性はますます高まっています。

今後は、研修で学んだ「型」を庁内で活用し、日々の業務の中で実践を積み重ねることで、より効果的な伝え方が根付いていくことが期待されます。

ワークショップを活用した学びの場づくり

今回の研修は、単なる講義形式ではなく、参加者が主体的に考え、実践しながら学ぶワークショップ形式で実施しました。C-tableには、認定ワークショップデザイナーが在籍しており、「伝え方を磨く」研修にとどまらず、市民参加型のシビックテックスクール、高校生向けのものづくりワークショップ、組織のビジョン浸透を目的としたセッションなど、さまざまなテーマでのワークショップを企画・運営しています。

C-tableでは、自治体や企業向けに「わかりやすく伝える力」を育むワークショップをはじめ、多様な目的に応じたプログラムの設計が可能です。組織内の情報共有の改善、プレゼンスキル向上、市民や学生と連携した新しい学びの場づくりなどに関心がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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