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デザインで地域課題に挑む!都留市×山梨大ADP 実践型合宿レポート

デザインで地域課題に挑む!都留市×山梨大ADP 実践型合宿レポート

山梨大学 高度デザイン人材育成プログラム Advanced Design Program(以下、山梨大ADP)は、2023年に社会人向けの教育プログラムとして開講し、AIやデザインの理論を学ぶカリキュラムを提供しています。

2025年2月、C-tableは都留市と山梨大ADPの協働を支援し、地域課題をテーマにした合宿プログラムをコーディネートしました。

都留市は「大学のあるまち」として、学生や若者が地域に関わる仕組みづくりを推進しており、今回の合宿では、受講生が大学生の定住促進や関係人口創出をテーマに、実際に都留市で活動する17名の方々へのインタビューやフィールドワークを通じて、課題の分析を行いました。

「願いのデザイン」を活用し、地域課題を深掘る

2025年2月8日・9日、山梨大ADPの受講生が都留市に訪れ、「都留文科大学の学生が、都留市に関わり続けたくなるサービス」 をテーマに、地域課題に対するデザインアプローチを学ぶ合宿を実施しました。

<テーマの背景>
都留市は「大学のあるまち」として発展してきましたが、大学生の卒業後の定住率は決して高くありません。そこで、大学生が都留市に「関わり続けたい」と思える環境づくりのために、地域の現状や課題を調査し、新たなサービスのアウトラインをデザインすることを目的としました。

<取り組み>
合宿では、フィールドワークとインタビューを通じて、大学生、移住者、市役所職員、議員、経営者など、さまざまな立場の方々から話を伺いました。さらに、「願いのデザイン」 という視点を取り入れ、単なる課題解決策ではなく、地域の人々の想いやニーズを汲み取り、「デザイナーとしての願い」を取り入れた提案を行うことを重視しました。

デザイン視点で考える、都留市の未来

2025年2月15日、山梨大ADPのデザイン実習発表会が開催されました。本発表会では、合宿を通じて得た知見やアイデアを受講生がまとめ、都留市の大学生の関係人口創出や定住促進につながる施策を提案しました。

発表されたアイデアの中には、都留市と卒業生のつながりを強化する仕組みや、学生が地域と接点を持ち続けるための新たなコミュニティの設計、地域の魅力を伝えるストーリーを活かしたブランディングの手法など、多様な視点からの提案が含まれていました。受講生たちは、フィールドワークやインタビューを通じて得た現場の声をもとに、実際に地域の中で実践できるアイデアを整理しました。

都留市からのコメント

また、発表後には、都留市役所 総務部 企画課の担当者からコメントをいただきました。

「都留市や都留文科大学の特徴を踏まえ、各班の発表は地域の現状に即した課題を深掘りし、適切な解決策を提示しており、非常に素晴らしい内容だったと感じました。

特に共感したのは、「大学時代の都留市への関わりの希薄さ」という点です。都留市の人口約2万8千人のうち、都留文科大学生は約3千人ですが、地域に関わった取り組みをしていただいているのは100人程度、つまり多くても3%ほどです。全国から集まる学生が初めての一人暮らしを経験する中で、コミュニティ形成の難しさや孤立、メンタルヘルスの課題があることを改めて実感しました。大学との連携を通じて、こうした課題に取り組んでいきたいと考えています。

また、デザイン視点を活かした地域課題の解決をさらに磨き上げ、先進的な取り組みへと発展させていくことが重要だと感じました。」

デザインがつなぐ、人と地域の新しい関係

今回の山梨大ADP合宿では、受講生が都留市でフィールドワークやインタビューを通じて、大学生の定住促進や関係人口創出といった地域課題に向き合いました。地域で活動するさまざまな立場の方々の声を直接聞き、現場のリアルな視点を学ぶことで、デザインの力を活かしたアプローチの可能性を探る機会となりました。

本合宿では、「願いのデザイン」を実践的に取り入れることを重視しました。地域の課題を知るだけでなく、デザイナーが主体となり、それをどのように形にしていくのかを模索するプロセスを大切にしました。受講生の方々にとっては、地域の課題に向き合うことで、デザインの役割や実践のあり方について学ぶ機会になったのではないかと思います。

発表会では、都留市の担当者からもフィードバックをいただき、デザインの視点を取り入れた地域課題への取り組みに対して期待の声が寄せられました。今回の合宿を通じて得られた知見やアイデアが、今後の都留市の取り組みに活かされることを期待しています。

C-tableは、引き続き都留市や関係者の皆様とともに、デザインを通じた地域課題解決の可能性を探り、支援していければと考えています。

 

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