炭の素材ブランド「キコリの炭」ブランディング
間伐材を利用して産み出される「食べられる炭」のブランディング、循環型事業スキーム構築。
国土の2/3が森林の日本。その森林を整備する中で発生する竹材を原材料に、独自テクノロジーの炭化炉を用いて食べられるほどに安全に加工した炭が「キコリの炭」です。
キコリの炭は、浄化や吸収といった炭の力を活かしながらも安全で加工の自由度が高く、様々な事業者様とコラボレーションして生活の中に自然に取り入れられる商品として森林資源を活用できる魅力的な炭です。
「キコリの炭」が社会に提案する「森林保全事業」を世界に発信するため、ブランドコンセプト、コンセプトロゴ、マーケティング戦略からブランドサイト、ふるさと納税を活用した循環型事業スキームまで包括的にご支援しました。
プロジェクト背景
日本の森林が抱える課題「森林資源の需要減少」
国土の2/3を森林が占める日本。昭和20~30年代の高度経済成長期に建築資材などの木材需要を見込み、全国の山で急速かつ大量な植林が行われました。しかし起こったことは、安価な海外木材の大量輸入、コンクリートやプラスチック等の需要増加。植林したものの売れない全国の森林資源はそのまま山に放置されました。この状況が数十年たった今、山の健康を害し、日本の原風景である里山そして美しい湧水の未来を脅かしています。
森林を健康に保ち、里山や湧水を未来に残すために必要なこと。それは不要な樹木や竹を伐採する「間伐」です。しかし「竹や木材の需要」が増えなければ、樵(キコリ)は、継続的な間伐を行うことはできません。「森林資源の新しい需要」を産み出すことが森林を守るために大切です。
「食べられる炭」で森林資源の新需要を創造
日本の森林から切り出された樹木や竹を利用した高品質な炭。それが「キコリの炭」です。最新テクノロジーで管理された特殊炭化炉で炭化し、竹や木材に含まれる微量な重金属を96%除去。特殊な炉で炭化した「キコリの炭」は無味無臭で加工の自由度が高く、粉にして食べ物に混ぜたり壁に塗る炭塗料にしたりと、現代のライフスタイルの中で「衣食住」全てに国産森林資源の活用ができます。
この「キコリの炭」を創っているのが山梨県都留市にある株式会社炭義.です。
プロジェクトのポイント
「キコリの炭」のコンセプトを可視化
一般的に炭の素材となる木材には微量の重金属が含まれています。「キコリの炭」は独自テクノロジーの炭化炉にてこの微量な重金属を96%除去するため、食べても害がありません。また利用する竹材は神奈川県鎌倉市や山梨県都留市の森林組合などから調達する国産の木材です。身近にある森林資源を活用することで森林保全につながります。
しかし世の中のすべての炭が同様ではありません。
キコリの炭がコラボレーションする事業者様、そしてエンドユーザーに対して「他の炭」ではなく「キコリの炭」であること、その価値を明確に伝える必要があります。このため、改めてコンセプトの定義、識別しやすいコンセプトロゴの策定を行いました。
コンセプトを伝える、エクスペリエンスデザイン
建材からワラビ餅、トンカツの衣まで、「キコリの炭」にはコンセプトに共感してくださった多様なコラボレーション事業者様がいます。それぞれのお客様に「キコリの炭」を正しく高い解像度で共感していただくためのブランドタグとブランドサイトを構築しました。
ブランドサイトに掲載するための動画、写真撮影は実際に山梨県都留市の山林で都留市の樵、クリエイターと共に行いました。
また興味関心を持っていただいた方へ「キコリの炭」が行う様々なイベントや新商品情報を知っていただくため、LINE公式アカウントを開設しました。「キコリの炭」として顧客資産をもつことでコラボレーション事業者様へのPRにも相乗効果を生み出します。
ふるさと納税を組み込んだ循環型事業化
森林の環境整備や水源の保全を目的として都道府県ごとに地方税が徴収されています。山梨県都留市のふるさと納税としても【自然と環境の保全】が使途として設定されています。
「キコリの炭」を利用した商品をふるさと納税として出品することで、森林の環境整備や水源の保全につなげる循環型事業としても展開します。
2019年のふるさと納税は4875億円ですが、ふるさと納税を住民税を納めているすべての人が行った場合の総額は2兆5,574億円です。伸びしろが2兆円以上あり、今後も拡大していくことが予測される成長市場です。(※1)
魅力的な商品開発を行うことで地方自治体のふるさと納税税収増加と森林資源の需要創造により森林保全が推進される「循環型事業スキーム」として事業成長と森林保全、そして地方創生の全てを循環させます。
C-table株式会社は、これからもクリエイティブやテクノロジーの力を活用し、ユニークな技術と高い志をもった生産者様と共に「新しい社会」を創る仕組みづくりを行ってまいります。
※1)ふるさと納税ガイドより
https://furu-sato.com/magazine/9440/