【AIXワークショップ事例|山梨県都留市市役所】AI導入の壁を超えた文化変革
なぜAI導入は「スキル研修」で失敗し、「組織の対話」で成功するのか?
いま、多くの企業や自治体で「生成AIスキル研修」が導入されています。
AIツールの基本操作、業務効率化のテクニック、画像生成AIの使い方…。
確かにこれらは、個人のスキルアップを支える有益な内容です。
しかし、現場からはこんな声が聞こえてきます。
- 「研修をやったのに、仕事のやり方は何も変わらない」
- 「結局、AIを使う人と使わない人に分かれてしまう」
- 「本当にこれで組織全体が豊かになるのだろうか?」
この違和感こそが、多くの組織が直面する共通の壁です。
理由はシンプル。AI導入は、スキルの習得で終わるものではないからです。
本当に重要なのは、組織全体で「なぜAIを使うのか?」を問い直し、
体験と対話を通じて未来の働き方をデザインすること。
そこに踏み込まない限り、AIは「一部の便利ツール」で終わってしまいます。
この課題に挑み、「体験と対話」を軸にしたボトムアップ型のAIX(AIトランスフォーメーション)という新しいアプローチを提供しているのが、C-table株式会社です。
そんな私たちのアプローチで、「AIはまだ早い」と言われていた現場を「全職員に体験させたい」という熱量に変えた─ それが、山梨県都留市市役所の職員向けに実施した生成AIワークショップでした。
変化は、たった2回のワークショップから始まった
「AIなんて自分には関係ない」「難しそう」「禁止されているし…」
─最初の都留市役所の空気は、まさに多くの企業・自治体と同じでした。
ところが、わずか2回のワークショップを経て、都留市市役所職員の言葉はこう変わります。
- 「便利だと知った以上、業務で使わないともったいない」
- 「全職員に受講してほしい」
- 「AIで生まれた時間をどう使うか、みんなで考えたい」
アンケートでは満足度平均8.4点以上/84%が高評価。
これは「スキル研修でツールを学ぶ」だけでは絶対に得られない変化です。
職員一人ひとりの表情は、不安から期待へと静かに、しかし確実に変わっていきました。
この“心の変化”こそが、本当のAI導入の第一歩なのです。
👉 詳細なアンケート結果は こちらのnote記事 にて公開しています。
※なお、本ワークショップは「今後のAI導入に向けた試験的な取り組み」であり、終了後には庁内で生成AIを試験的に利用できる環境が整備される予定です。
都留市の挑戦は、いままさに本格導入へと進みつつあります。
AIは禁止、期待と不安が入り混じる現場
都留市役所の状況は、多くの組織が直面する典型的な事例でした。
- AIは禁止、利用機会ゼロ
- 期待は「業務効率化」一色
- AI導入を阻む三大不安:情報の正確性、著作権、個人情報への対策
- 共通の懸念:「効率化しても豊かにならないのでは?」
これは、さまざまな組織でも思い当たる状況ではないでしょうか。
一般的なAI研修は、この“不安”や“抵抗”に正面から向き合う設計になっていません。
だからこそ、学んでも「結局、現場は動かない」という結果に陥りがちです。
C-table独自のAIXアプローチ:「体験と対話」で心理的な壁を崩す
操作方法を教えるだけでは、AI活用は広がりません。私たちが重視するのは『体験』と『対話』を通じて心理的な壁を崩し、文化を変えていくこと。
都留市役所で行った生成AIワークショップは、そのアプローチの力を実証する取り組みとなりました。
STEP1:AIは「怖い存在」から「ちょっと頼れる仲間へ
まずは、日常に近いテーマでAIに触れてもらいました。
「マラソン練習メニューを聞いたら、具体的な週4回のプランが返ってきた」
「料理の提案が意外に的確で、すぐに試してみたくなった」
──「こんなに簡単なんだ」「思っていたより楽しい」。
そんな小さな成功体験が、“不安”を“期待”へと変える心理的転換点になりました。
参加者の中には「AIが仲間のように感じられた」という声もあり、研修ではなく心を動かす体験が生まれたのです。
STEP2:AIは「便利な道具」から「未来をデザインする鍵」へ
次に取り組んだのは、各課が実際に抱える業務課題。
消防課は調書作成、長寿介護課は説明資料、ふるさと納税担当者はバナー作成──。
それぞれの現場で「本当に役立つ」体験を通じ、AIがただの便利な道具ではなく、働き方を変える可能性を秘めた存在だと気づいていきました。
「便利な道具」から「未来をデザインする鍵」へ。
そして意識は、「AIを知る」から「AIを使って考える」へとシフトしていったのです。
見えてきた本質:AIがもたらす「効率化の先」の組織再投資
「AIで生まれたこの時間を、私たちは一体、何に使おうか?」
この問いから生まれた答えは、ただの改善策ではなく、未来を描く希望のリストでした。
- 後回しにしていた業務改善を進める
- OJTや資格取得などのスキルアップに投資する
- 部署内ミーティングを増やし新しい企画を立ち上げる
- 市民サービスを強化する住民イベントや現場視察
- 余白を意識的に確保し、創造性を育む
単に効率化するのではなく、人・組織・地域に再投資できる資源を生み出す。
これこそが、AI導入の本当の価値です。
👉 詳細なアンケート結果や職員の声は、noteで公開しているレポートでもご覧いただけます。
都留市職員向け生成AIワークショップ 第1回レポート(2025/8/27実施)
都留市職員向け生成AIワークショップ 第2回レポート(2025/9/04実施)
C-tableの優位性:AI導入を成功に導く4つの強み
都留市市役所の職員の変化は偶然ではありません。
そこには、C-tableだからこそ実現できた4つの強みがあります。
-
研修を超えて、“文化変革の伴走者”へ
ツールの使い方ではなく、「AIでどう未来を描くか」を共に考える。
だから学びが「知識」ではなく「行動」へつながる。 -
トップダウンではなく、ボトムアップ
経営層の号令ではなく、現場の「やってみたい」から始める。
小さな挑戦が全体の文化を変えるエネルギーになる。 -
操作指導ではなく、心理変容を設計
不安を期待に変える“体験+対話”を組み込む。
AIが「怖い存在」から「仲間」へと認識を変える。 -
実証で終わらず、実装まで伴走
ワークショップ後もアイデアを試作・業務に組み込み。
一時的な盛り上がりではなく「文化の芽生え」に。
この4つが揃っているからこそ、『AI禁止』だった都留市市役所でも、文化変革の芽が生まれ、実際に変化が動き始めました。
AI導入は「IT投資」ではなく「人への投資」。最初の一歩をご提案します。
都留市役所で行った生成AI体験ワークショップを通じて、改めてはっきりしたことがあります。
それは──AIの価値は「操作方法を覚えること」ではなく、「組織の文化を変えること」にあるということです。
AIそのものは、あくまで道具にすぎません。
本当に大切なのは、「その道具をどう使い、どんな未来を描くのか」を組織全体で考えることです。
C-tableは、その対話を後押ししながら、現場から始まる小さな一歩を、やがて大きな変化へと育てていく伴走をします。
- 専門知識ゼロから始められる
- 小さな投資で試行錯誤できる
- 現場の成功体験を文化へと広げられる
「AIはまだ早い」と思っていませんか? その一歩が、未来の働き方を大きく変えます。
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