市民の力で地域を変える!地域の未来を創るワークショッププログラム『都留シビックテックスクール』
地方自治体におけるデジタル化は急速に進展しており、「デジタル田園都市国家構想」のもと、全国で便利で効率的なシステムが導入されています。しかし、私たちが忘れてはいけないのは、そのシステムが本当に市民の生活に寄り添い、役立っているかを問い続けることです。誰かが決めた制度に従うだけでは、地域の根本的な課題は解決しません。地域の未来を形作るのは、市民一人ひとりの意思と行動です。
私たちは、「自分たちが地域を変えられる」という市民の意思こそが、地域の持続可能な発展に不可欠だと考えています。システムを導入するだけでは、市民の生活は根本的には変わりません。市民が地域の主役となり、未来を自らの手で作り上げることこそが、変革の鍵です。
この思いを実現するために、「都留シビックテックスクール」では、市民が自らアイデアを生み出し、それを具現化するプロセスを通じて、地域の課題解決を共に見つける場を提供しました。
このプログラムを通じて、市民は「自分たちで地域を変えられる」という自己効力感を得るとともに、地域づくりに主体的に関わる力を養いました。
市民の視点で本質的な解決策を追求する
私たちは常に、市民の視点に立ちながら、既存の制度やシステムに頼るのではなく、地域の本質的な課題にどのように向き合うべきかを問い続けてきました。
私たちの目指すのは、単なるシステムの導入ではなく、市民が主体的に課題解決に関わることです。
そのためには、市民と行政が協力して新しい解決策を生み出す場を作り、デジタル技術を活用できる人材を育てることが不可欠です。こうした思いを形にするために、「都留シビックテックスクール」では、普段あまり接点のない市民、大学生、行政職員が集まり、それぞれの視点を共有しながら地域の課題に取り組む機会を提供しました。
このプロセスは、単なる講義では得られない深い学びや新たな気付きがあり、市民と行政の双方に「一緒に地域を変えていく」という意識を育むことができました。
フラットな対話で、地域の未来を共に作り上げる
今回、「都留シビックテックスクール」は、全7回にわたるワークショップ形式で実施され、市役所職員4名、市民6名、学生8名が参加しました。
議論を活性化するため、都内で活躍するデジタル人材4名もファシリテーターとして参加し、サポートを行いました。
年齢や肩書きを超えたフラットな意見交換を通じて、参加者は市民が本当に必要とする解決策を自ら考え、実現に向けたプロトタイプ制作までを体験しました。
具体的には以下のプログラムで進行しました。
※プログラム詳細はこちらのnoteに記載をしています。ぜひご覧ください。
市民が主役となってアイデアを生み出し、評価するプロセス
「都留シビックテックスクール」の特徴の一つは、市民がアイデアを評価するプロセスを導入したことです。各チームは寸劇形式でプロトタイプ動画を制作し、それを市民に公開しました。視聴者となった市民は「これがあったら便利だな」と感じたプロダクトやサービスを選び、ユーザーの視点から評価を行いました。
このプロセスを通じて、市民は実際のプロダクト開発の初期段階を体験し、アイデアが独りよがりにならないよう、市民が本当に求めているものかを意識して確認する視点も身につけました。また、ユーザーの評価を通して、アイデアをどのように改善すべきか、今後の方向性について考えるきっかけが得られました。
▼実際のプロトタイプ動画はこちら
プロトタイプ動画
▼市民へのアンケート結果はこちら
アンケート結果
市民目線で生まれる納得の解決策
デジタル技術の進展により、地域課題の解決はますますスピーディーになっています。しかし、テクノロジーだけでは十分ではなく、市民の声と共感があって初めて、解決策は本当に役立つものになります。
どんなに優れたシステムでも、市民が納得して使わなければ、成功とは言えません。そのためには、市民自身が関わり、納得して使うシステムこそ、真に価値ある解決策を生み出す鍵です。
「都留シビックテックスクール」は、市民が自ら課題に対してアイデアを出し、行政と協力して実現する新しい地域連携のモデルです。
市民と行政が協力することで、地域に根付いた持続可能な解決策を生み出すことができました。今回、両者が一体となり地域の課題に取り組む仕組みが根付くとともに、それを支えるコミュニティ形成の第一歩が築かれました。
立場や年齢、肩書きが異なると、それぞれの「当たり前」が異なり、合意形成が難しくなることもあります。しかし、誰もが「住みやすい街にしたい」「街をよくしたい」という思いは共通です。違いに注目しがちですが、このプログラムを通じてお互いの共通点に気付き、それを認め合い、共に創り上げていくことが最も価値のある経験だと考えています。
私たちは、この共通の思いを大切にし、納得感のある解決策を提供し続けることで、人々がより便利で幸福な生活を送れるよう、市民目線でのデジタル化推進に挑戦しています。
市民と行政が協力し、デジタル技術を活用して地域課題に取り組むことで、地域の未来を根本から変える力があると信じています。