2026年7月27日、都留市第7次総合計画の策定に向けた市民ワーキング第3回(最終回)が開催され、C-table株式会社 執行役員の本田がファシリテーション支援として参加しました。

第3回では、第1回で整理した都留市の長所と課題、第2回で議論した分野ごとの取り組みを踏まえ、それぞれの分野における「まちづくりのテーマ=〇〇の安心」を考えました。第2回の議論の中から自然と浮かび上がった「安心」というキーワードを、市民自身の言葉で具体化していく、3回のワーキングの締めくくりとなる回です。

各テーブルでのグループワークの様子

「不安」から出発し、市民の言葉で「安心」を考える

今回のワークでは、いきなり「安心」を定義するのではなく、まず各分野で「不安に感じること」「足りていないこと」を付箋に書き出すことから始めました。安心のかたちは、その裏返しである不安の中にこそ具体的に見えてくるためです。参加者は出し合った意見に優先順位をつけながら議論を深め、最後に分野ごとの「〇〇の安心」をテーマとして言葉にまとめ、グループごとに発表しました。

市民、学生、地域団体関係者など多様な立場のメンバーが、第1回からほぼ入れ替わることなく3回を通して参加し続けたことも、このワーキングの大きな特徴でした。

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「不安に感じること」「足りていないこと」を付箋に書き出すグループワーク

分野ごとに言葉になった、都留市の「安心」

子育て・健康・福祉の分野では、「欲しい情報が簡単に手に入る安心」「充実したサービスによる安心」がテーマとして挙げられました。支援制度やサービスはあっても情報が届きにくいこと、デジタルに不慣れな方にもわかりやすく伝える必要があることが論点となりました。

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「不安」から「安心」のテーマへ(子育て・健康・福祉グループの模造紙)

産業・交流人口・インフラの分野では、働く人の視点から「安定した収入で生活できる安心」「職業を選べる安心」、地域のつながりの視点から「孤独・孤立しない安心」、生活基盤の視点から「快適に生活できる安心」「計画的に維持されるまちづくりの安心」が挙げられました。企業側の「人手が足りない」という声と、学生側の「働きたい仕事が少ない」という声が同じテーブルで語られ、その間にある情報発信の不足という共通の構造も見えてきました。

教育の分野のテーマは、「信頼でつながり、みんなで育む教育の安心」。子ども、保護者、教員、教員を目指す学生、地域、大学と、教育に関わるそれぞれの間の信頼関係を、学校現場や大学からの情報開示・共有によって育てていくという視点が共有されました。

環境・安全・コミュニティの分野では、自治会の担い手不足や防災意識の課題を踏まえ、「地域の活動が継続できる安心」「課題に取り組んでくれる人がいる安心」がテーマとなりました。先頭に立つ人の存在と、それを地域全体で支える仕組みの重要性が話し合われました。

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「ちいきの安心」をまとめた模造紙(環境・安全・コミュニティ)

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各グループがまとめた「安心」のテーマを発表

C-table本田によるファシリテーション支援

本田は、これまでの回と同様に会場全体を巡回しながら各テーブルの議論のプロセスを支援し、参加者が「不安」を具体的な言葉にし、「安心」のテーマへ抽象化していく過程を後押ししました。

全体総括では、分野は違っても議論が2つのことに集中していたことを指摘しました。ひとつは「情報発信」です。仕事も、支援制度も、学校の取り組みも、実はあるのに必要な人に届いていない。不安の多くは、情報が届いていないことから生まれていました。もうひとつは「世代を超えた交流」です。自治会では若い担い手がいない一方、学生には手伝いたい気持ちがあってもつながる窓口がない。教育のテーブルでは、教員を目指す学生の不安に、ベテランの先生が「一人で抱えず、チームで支える仕組みがある」と経験で応える場面もありました。

そのうえで、この2つはつながっていると整理しました。SNSをはじめ発信が得意な若い世代が、地域の困りごとや魅力を見える化する役割を担うこと自体が、世代を超えた交流の入り口になります。そして、こうした仕組みは行政だけでつくれるものではなく、このワーキングがまさにそうであったように、市民と行政が一丸となってつくっていく必要があると結びました。

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発表の様子

市民の言葉から生まれた「安心」を、10年後の将来像へ

3回のワーキングを通して、都留市の長所と課題は、分野ごとの取り組みの議論を経て、市民自身の言葉による「安心」のテーマへと結実しました。今後は、今回まとめられたテーマをもとに、事務局で「目指すべき将来像(案)」を検討し、参加メンバーへ共有したうえで、8月下旬に開催される都留市長期総合計画審議会へ提出される予定です。市民の声から出発した将来像が、令和9年度から始まる第7次総合計画の土台となっていきます。

C-tableでは、デジタル活用や情報発信の支援に加え、地域の声を引き出し、行政計画づくりや合意形成のプロセスを支えるワークショップ設計・ファシリテーションにも取り組んでいます。引き続き、地域の声をまちの未来につなげるための対話の場づくりを支援してまいります。