OVERVIEW
概要
- 法人/業種
- 株式会社ZOU / 映像制作・写真撮影・Web制作
- 地域
- 山梨県
- 参加人数
- 10名(経営・営業・制作進行・映像・スタジオ撮影・Web制作)
- 利用サービス
- 生成AI体験ワークショップ Geminiコース(基礎理解・実務活用・業務改善の3ステップ・計12時間)+ 人材開発支援助成金の活用
- もともとの課題
- ご依頼が多く、業務の進め方が一人ひとりの経験に支えられていた。立ち止まって業務を見つめ直す時間がとりにくい状況
- うれしい変化
- 頭の中にあった課題が、言葉と工程に → 「前に進んだ実感」9.0/推奨度9.5(10点満点)
- 効果が見えるまで
- 第1回当日に3チームがプロトタイプを作成。第3回終了時には全員が「AIに任せたい業務」を自分の言葉で回答
- 期間
- 2026年4月〜6月(4/2・5/27・6/30、各4時間)
- この先
- 現場の具体的テーマでのAI実装へ
SUMMARY
まとめ
▶ きっかけ/課題
「AIで楽にしたい」と思いながらも、映像・写真・Webのご依頼が絶えず、立ち止まる時間がとれない日々。2025年10月のお試しワークショップで手応えを感じ、助成金を活用した全3回シリーズへ。
▶ 取り組み
「何をAIに任せるか」をチームで言葉にすることから開始。第1回で業務課題を、第2回で「理想のお客様像」を、第3回で「提供価値」と「業務フロー」を、全員の対話で言語化しました。
▶ うれしい変化
満足度 9.6(第1回)、全3回で「前に進んだ実感」9.0。頭の中にあった課題が、一人ひとりの言葉と具体的な工程になりました。
BACKGROUND
「AIで楽にしたい」と、忙しい毎日のあいだで
山梨県で映像制作・写真撮影・Web制作を手がける株式会社ZOU。結婚式で上映した1本の動画が会場の感動を呼んだ経験から映像の仕事を始め、いまはデザイン・Web制作、家族写真スタジオへと広がっています。案件の7〜8割がリピートというお付き合いの深さが、ZOUの仕事ぶりを物語っています。
一方で、ご依頼が絶えないからこそ、メンバーの皆さんは現場の第一線に立ち続けていました。案件の進め方や予約の管理、機材の準備は、それぞれの経験に支えられている面があり、立ち止まって業務を見つめ直す時間はなかなかとれません。
「AIで楽にしたい」という気持ちは、ZOUの皆さんも早くからお持ちでした。それでも、多くの会社でこの気持ちが前に進みにくいのは、意欲や能力の問題ではありません。先に答えるべき問いが残っているからです ― 「何を」AIに任せるのか。これを言葉にできてはじめて、AIは仕事の助けになります。
そして、この言語化は一人ではなかなかできません。自分の業務は自分にとって「当たり前」で、困りごとと感じにくい。人によって見えている課題も違う。どの業務から楽にするかには、チームの共通認識も要ります。だからこそ私たちは、ワークショップを「AIの操作を教わる時間」ではなく、「自分たちの業務をチームで言葉にする時間」として設計しました。
WHY C-TABLE
なぜ、C-tableに声がかかったのか
きっかけは、2025年10月に実施したお試しの単発ワークショップです。生成AIの基礎に触れていただいたとき、参加者の皆さんから「もっと駆使していきたい」「絶対に仕事の効率が上がる」という声が上がりました。
この手応えを受けて、助成金を活用した全3回・計12時間のシリーズが決まりました。プログラムは、当社の生成AI体験ワークショップの3ステップ ― 基礎理解「生成AIに触れてみよう」、実務活用「生成AIを業務で使ってみよう」、業務改善「生成AIで業務を改善しよう」に沿って進めます。各回で何を言葉にするかは、ZOUの皆さんと対話を重ねながら、1回ごとに検討していきました。
STORY
第1回:言葉にできれば、アプリになる
「生成AIに触れてみよう(基礎理解)」にあたる初回は、生成AIの基礎とリスクのおさらいから入り、メインテーマに「バイブコーディング」を据えました。プログラミングの知識がなくても、日本語でAIに伝えるだけでアプリケーションの試作品がつくれる方法です。選んだ理由は一つ。「言葉にすれば、形になる」を最初に体感していただきたかったからです。
営業・スタジオ撮影・動画制作の3チームに分かれ、まずはGoogle AI Studio(Gemini)で体験。そのあと業務の困りごとを付箋に書き出し、要件定義シートに整理して、実際にプロトタイプをつくるところまでを4時間で進めました。案件の進行管理、予約情報の整理、制作進行の共有 ― これまで「なんとなく困っている」で止まっていたことが、言葉になり、この日はじめてアプリの形になりました。
「頭にあることを言葉にするだけで、アプリができた」 ― 代表・知見様
「解決策よりも、課題の理解と言語化のほうが本質的に重要だと気づいた」 ― 参加者アンケートより
満足度は10点満点中 9.6。バイブコーディング体験には、10名中6名が10点をつけてくださいました。


第2回:言語化は、一人では難しい ― だからチームで
「生成AIを業務で使ってみよう(実務活用)」にあたる第2回のテーマは、一段むずかしい言語化に、チームの対話で挑むことでした。題材は「理想のお客様像」。自分たちが誰に何を届けているのかは、一人ひとりの頭の中にはあっても、揃った言葉にはなっていません。
部門をまぜた3チームで、これまでの案件をふりかえりながら、印象に残っている案件を付箋で書き出し、チームの対話はスマホで録音。休憩のあいだにAIが議論を分析シートにまとめて印刷し、休憩明けには自分たちの言葉が整理された1枚が手元に届きます。対話はチームで、整理はAIで ― という役割分担を、実務さながらに体験する設計です。
3チームから出てきた「理想のお客様像」は、表現こそ違っても本質が重なっていました。感性を信頼して任せてくださる。モノではなく、その先の成果や体験に価値を見てくださる。制作の場を一緒に楽しんでくださる ― この共通の構造が、全員の前で見える化されました。
「AIを活用するのは人間。人間が思いをしっかり持ち、いかに言語化できるのかが大切」 ― 営業・PM
「すでに良いお客様に恵まれていることに気づいた」 ― 映像制作

INSIGHT
手応えの差が教えてくれた、第3回の設計変更
第2回の満足度は8.2。第1回より控えめな数字でしたが、ここに大切な気づきがありました。「録音→AI→資料化」という言語化のワークは、営業や制作進行の皆さんには手応えがあった一方、撮影が本業のメンバーには、自分の業務との接点がまだ見えにくかったのです。
この声を受けて、最終回は「一人ひとりの業務」に近づける設計に組み替えました。全員に同じことをしていただくのではなく、それぞれの仕事にとって意味のある時間になるように ― 数字が教えてくれた、大切な軌道修正でした。
第3回:全員の言葉を揃えて、業務を見える化する
「生成AIで業務を改善しよう(業務改善)」にあたる最終回は、代表・知見様へのインタビューから始めました。創業のいきさつ、「1回の取引で終わらせない」という姿勢、これから向かう方向。それを全員のインプットにしたうえで、2チームに分かれて「私たちは本当は何を届けているのか」を対話しました。ここから、こんな言葉が生まれています。
- 選ばれている理由は、クオリティに加えて「やり取りのしやすさ」「レスポンスの速さ」「柔軟な対応」にある
- 撮影の現場はお客さまにとっての「晴れの日」。完成物だけでなく、一緒につくる時間そのものが価値になっている
対話は録音し、私たちが当日中にバリュープロポジションキャンバス(提供価値の整理図)としてまとめて、その場でお返ししました。
後半は、実際の案件を題材にした業務フローの見える化です。撮影内容の共有から納品・請求までの流れを全員で書き出すと、 これまで感覚で語られてきた仕事の重さが、はじめて数字と工程になって並びました。どこをAIに任せて楽にし、どこに人が対応する時間を残すのか ― 全員が同じ絵を見ながらディスカッションする時間となりました。


RESULTS
うれしい変化は、課題が「自分の言葉」になったこと
9.6
第1回 満足度
バイブコーディング体験の回(10点満点・10名回答)
9.0
「前に進んだ実感」
全3回を通じて(第3回アンケート・10点満点)
9.5
第3回 推奨度
3回の中でいちばん高い推奨度(10点満点)
数字とあわせてお伝えしたいのは、「自社と業務を言葉にする力」がチームに根づき始めたことです。部門を越えて、理想のお客様像と提供価値の共通認識ができました。経験に支えられてきた業務は工程として見える化され、優先順位がつきました。そして最終回のアンケートでは、参加者全員が「AIに任せたい自分の業務」を、自分の言葉で書いてくださいました。
「自分たちの事業の中で、人がやるべき領域と、人でないほうがむしろ良い領域がわかった。採用のリソースを改めて考えるきっかけになった」 ― 営業
「事業の棚卸しをやってもらえる機会は、なかなかない。ありがたい機会だった」 ― ふりかえりの声
「それぞれがAIやシステム開発に触れることで、仕組み化を日常にして、お客さんにも提案できるようにしたい」 ― 代表・知見様
INSIGHT
これから ― 言葉にした課題を、かたちに
ふりかえりでは、率直な次の宿題もいただきました。「課題は明確になった。次は、実際にAIをどう業務に取り入れるか」。代表・知見様からも、3回のワークショップだけでは、まだ業務の効率化そのものには結びついていない、という率直なお話をいただいています。継続してほしいテーマのアンケートでも、「具体的なAIツール×業務の事例紹介・伴走」がいちばん多い回答でした。
言語化は、効率化のゴールではなく出発点です。助成金を活用したワークショップは今回でひと区切りとなりますが、ご要望があればこの先も伴走を続けます。レタッチ、機材チェックリスト、データバックアップ、スタジオ予約や案件管理 ― 言葉になった課題をひとつずつ形にしながら、生成AIの活用を会社全体の業務効率化へつなげていくご支援ができればと考えています。つくって終わりにせず、ZOUの皆さんと一緒に、次の一歩を進めていきたいと考えています。