案件情報を共有し、日報・進捗・原価・粗利をつなぐ
C-tableは、数名の小さな会社で、日々多くのプロジェクトを推進しています。
このために社内では情報共有のため、
予定や実績の登録、日報の作成、案件の進捗確認などにAIを使っています。
ただ伝えたいのは「AIで日報作成が楽になった」という話ではありません。
AIを使う前に、全員が同じ情報を見られる状態をつくったことです。
どんなお客様なのか。どの案件なのか。どんなタスクがあるのか。
いま何をしていて、どこまで進んでいるのか。
誰が何時間を使い、原価はいくらか。経費は。
見込み粗利は、いくら残っているのか。
人が共有でき、AIにも読み取れる形で、こうした情報がつながっている。
だから、AIが働けるようになりました。
案件の状況が、担当者しか分からない
多くの会社で、仕事の情報がいくつもの場所に分断されています。
顧客情報は顧客管理システム。
案件の進捗はExcelや管理ツール。
日々の報告はチャット。
勤怠管理と工数は別の表に入力し、
売上や原価はさらに別の場所で管理する。
どの情報も、単体では存在しています。
しかし、紙や誰かのPCに入っているExcel、社内システムなどに分散しており
お互いにつながっていません。
そのため、
「この案件はいま、どこまで進んでいるのか」
「いくらかかっていて、利益はいくら残りそうか」を知ろうとすると、
複数の場所から数字を集め、人が突き合わせる必要があります。
社員も、同じ内容を何度も入力します。
日報に今日の仕事を書く。工数管理表にも入力する。
チャットで上司へ報告する。
月末になると、誰かがそれらを集計する。
日報には書いたが、工数には入れていない。
チャットで報告したが、管理表には反映されていない。
社員は何度も入力しているのに、経営者が知りたい数字は、月末まで見えません。
私たちにも、同じ問題がありました。
最初に、全員が同じ案件情報を見られるようにした
以前は当社も、案件管理、顧客管理、工数管理、売上管理が、
それぞれ別の場所にありました。
そこでまず、社内の情報構造を整理しました。
顧客 → 案件 → タスク → 予定・実績 → 工数 → 経費→原価・粗利
いまは、社内の管理システムに、お客様、案件、タスクが登録されています。
お客様の下に案件があり、案件の下にタスクがある。
タスクには担当者と期日が決まっている。
案件には売上額があり、社員ごとの人件費や必要な経費も登録されています。
これによって、社員も経営者も、同じ案件とタスクを見られるようになりました。
誰が何を担当しているのか。どのタスクが終わり、何が残っているのか。期日はいつか。
担当者の頭の中や、個別のチャットを探さなくても、
会社の全員が同じ情報を確認できます。
AIを使う前に、まず人が情報を共有できる状態をつくったのです。
社員が入れるのは、毎日の予定と実績
社員は毎日、朝に予定を、夕方に実績を登録します。
入力するのは、「どの案件の、どのタスクを行うか」です。
社内システムはGoogleカレンダーと連携しています。
そして予定と実績に登録できるのは、
社内システムに登録されている案件のタスクのみです。
そのため、社員がタスクを選んでカレンダー上に予定と実績を入れると、
使った時間が該当する案件へ自動的に振り分けられます。
社員は、経営管理のために新しい数字を入力する必要はありません。
普段の仕事として予定と実績を登録する。
その情報が、そのまま案件の進捗と工数になります。
同じ情報から、日報も自動で作られる
以前であれば、予定と実績を入力したあと、
同じ内容を日報として書き直す必要がありました。
いまは、AIが社内システムからその日の各自の予定と実績を取得します。
そして社内で決めた日報の形式に整え、Slackへ投稿します。
人が入力するのは、予定と実績です。
日報は、その情報を使ってAIが作ります。
予定と実績を登録する。工数を入力する。日報を書く。上司へ報告する。
それぞれ別の作業だったものが、一つの情報からつくられるようになりました。
社員の入力は増やさず減らし、社内で共有される情報を増やす。
それが可能になりました。
月末を待たずに、案件の採算が分かる
予定と実績が案件のタスクに結びついているため、
各自の工数は毎日更新されます。
工数が分かれば、人件費をもとにした原価も計算できます。
案件の売上額と原価がつながれば、現在の見込み粗利も分かります。
経営者は、次の情報を日々確認できます。
- 案件がどこまで進んでいるか
- 誰がどれだけ時間を使っているか
- 現在の原価はいくらか
- 見込み粗利はいくら残っているか
正式な会計処理や月次決算が不要になるわけではありません。
ただ、月末になってから数字を一から集めなくても、
案件の採算がどう動いているかを途中で確認できます。
想定より工数が増えていれば、進め方を見直す。
粗利が減っていれば、追加対応の範囲や今後の見積もりを検討する。
案件が終わったあとに結果を知るのではなく、進行中に判断できるようになります。
そしてこれは全社員が参照できるようになっています。
情報が読めるから、AIが先に気づける
AIの役割は、入力や日報作成だけではありません。
案件、タスク、担当者、期日、予定、実績、工数がつながっていれば、AIも状況を理解できます。
「このタスクは、期日が近づいています」
「この案件は、予定より進み方が遅れています」
「このまま工数が増えると、見込み粗利が下がります」
数字を毎日確認し、AIが変化を見つけて知らせられるようになります。
AIを入れても、会社の事情を勝手に理解できるわけではありません。
何のお客様で、どの案件で、どのタスクなのか。
期日はいつで、誰が担当し、どれだけ時間を使ったのか。
人が見てもAIが見ても意味が分かる形で、情報が整理されている。
つまり、社内の情報が「AIにも読める状態」になっているから、AIが働けるのです。
MCPとSkillsは、AIと社内情報をつなぐ仕組み
私たちの環境では、社内システムに登録された情報を、
MCPという接続の仕組みを通してAIが取得します。
そして、取得した予定と実績をどのように日報へ整え、
どこへ投稿するかを、Skillsという手順としてAIに持たせています。
簡単に言えば、役割は次のように分かれています。
- 社内:お客様、案件、タスク、予定、実績、工数などを管理する
- Googleカレンダー:日々の予定を扱う
- MCP:AIがDensaiの情報を取得する
- Skills:取得した情報を日報の形式に整える
- Slack:日々のコミュニケーション、作成した日報を社内で共有する
大切なのは、この技術の名前ではありません。
AIが必要な情報へ安全にアクセスできること。
そして、取得した情報をどう扱うかが決まっていることです。
すべてを一つの大きなシステムへ作り直さなくても、
いま使っているツール同士の関係を整理し、
AIが情報を受け取れるようにすれば、つなげられる部分があります。
AIが働ける会社とは
AIが働ける会社とは、特別なAIを導入した会社ではありません。
人が共有でき、AIにも読み取れる形で、日々の仕事が蓄積されている会社です。
社内の情報がバラバラなままでは、
AIにできるのは、一般論で文章を書くことや質問に答えることに限られます。
一方、社内の情報がつながっていれば、AIは実際の業務に参加できます。
日報を作る。進捗を確認する。遅れを知らせる。採算の変化を見つける。
AIを入れたから、情報共有ができたのではありません。
全員が使える形で情報を共有したから、AIも働けるようになったのです。
そして、この基盤は人にも役立ちます。
経営者は、月末を待たずに判断できる。
社員は、二重入力や報告のための作業を減らせる。
担当者以外も、案件の状況を理解できる。
経営の数字が見えることと、社員が働きやすくなることは、別々の話ではありません。
同じ情報を共有することから、どちらも始まります。
明日から、一つだけ
最初から、すべての情報をつなぐ必要はありません。
まずは、社内で「同じことを二回入力している場所」を一つ見つけてみてください。
AIを導入することからではなく、社内で同じ情報を見られる状態をつくることから始める。
どの情報を共有するか。いまのツールをどうつなぐか。どこからAIに任せるか。
まずは気軽に、お話ししてみませんか。