C-tableは、山梨県都留市を拠点に中小企業・自治体のAI導入を支援しています。
この記事では、実際の支援現場で得た知見をもとに、
山梨県の企業がAI・生成AI活用を着実に前進させるための考え方とステップを整理します。
「何から始めるべきか」に悩む山梨の中小企業
ChatGPTをはじめとする生成AIの普及に伴い、
「自社でもAIを活用したい」と考える企業が増えてきました。
山梨県内でも日常の文章作成や議事録作成にAIを取り入れる動きが見られる一方、
現場からは次のような相談が多く寄せられています。
- 「AIを活用したいが、何から手をつければいいのかわからない」
- 「社員にツールを使ってもらったが、思ったほど業務が変わらない」
- 「AIで自社の業務がどこまで効率化できるのか見極めたい」
- 「研修を実施したものの、実際の業務改善につながっていない」
AI導入で大切なのは、最新のAIツールを導入することではありません。
**「自社の業務を正しく理解し、AIを適用することで真に価値が生まれるポイントを見極めること」
これこそが、AI活用の確かな出発点です。
山梨県の中小企業が直面する現実:「人手不足」と「技術承継」
AI導入を考える前提として、山梨県の企業が置かれている構造的な課題を整理しておきましょう。
帝国データバンクの調査(2025年10月)によると、
山梨県内で正社員の人手不足を感じている企業は48.5%、非正社員では31.3%にのぼり、
およそ2社に1社が人手不足に直面しています。
業種別では、建設業で9割超、サービス業でも6割弱と極めて深刻です。

山梨県は製造業(機械・電子部品)、観光、農業、宝飾など、
現場の技能や人の対応に価値がある産業が多い地域です。
山梨県は機械・電子部品などの製造業をはじめ、
観光、農業、宝飾など、現場の職人技や人の対応力に価値がある産業が集まる地域です。
しかし人口減少の影響は採用難として直撃しています。
地元工業高校の生徒数は全盛期の約半分に減り、数少ない卒業生は大企業へ、
大卒者は都市部へ流出するため、地域の中小企業を選ぶ人材は限られています。
「今いるベテランが退職したら事業継続が危うい」という声も珍しくありません。
山梨県の中小企業にとってAIは、
「新しいことを始めるための技術」というより、
「今の仕事を今の人数で続けるための技術」として考える必要があります。
なお、2026年度からは国の「デジタル化・AI導入補助金」が始まり、
企業のAI化を後押しする仕組みを整えています。
「AI導入=ChatGPTを使うこと」ではない
生成AIと聞くと、ChatGPTやGemini、Claudeなどを思い浮かべる方が大半でしょう。
確かに、文章作成や要約、情報整理、Excel関数の作成などに使うだけでも一定の効率化は可能です。
しかし、企業にとって本当に劇的な成果が生まれるのは、
次のような日常業務のボトルネックに踏み込んだときです。
- 毎朝、担当者が複数のExcelから数字を手作業で集計している
- FAXやPDFで届く注文書の内容を、人がシステムに手入力している
- 過去の図面や仕様書を探す作業に、毎日多くの時間が奪われている
- 顧客との電話や商談のやり取りが、担当者の頭の中にしか残っていない
- 特定のベテラン社員しか判断・処理できない仕事が山積みになっている
重要なのは「AIで何ができるか」をツール起点で考えることではなく、
「自社の日々の業務のどこに負担や滞留があるか」
を見つけることです。
紙・FAX・電話が残る現場こそ、生成AIと相性がいい

地方の中小企業の現場では、
現在も紙、FAX、電話、メール、ホワイトボードが主役として活躍しています。
「これではAI導入なんて遠い世界だ」と感じるかもしれませんが、
実はこうしたアナログ業務こそ、生成AIが最大の威力を発揮する領域です。
従来のDXやシステム開発は、
「人間がデジタルで入力し、業務フローそのものをシステムの都合に合わせて標準化する」ことが前提でした。
しかし、取引先に「今日からFAXをやめて専用WEB画面から発注してください」と強制するのは極めて困難です。
生成AIの登場によって、この前提が変わりつつあります。
- 「文章を文脈ごと読み解く」
- 「画像・手書き文字を認識する」
- 「曖昧な表現から意図を汲み取る」
- 「膨大な資料から該当箇所を探し出す」
といった作業をAIが肩代わりできます。
たとえば、FAXで届く注文書をAIが自動で読み取って基幹システムに登録できれば、
取引先の発注方法を変える必要はありません。
「現場の運用を変えることなく、業務の裏側にAIを組み込む」ことができるため、
リソースの限られた地方企業にこそ大きな変革をもたらします。
まずやるべきはツール選びではなく「業務の棚卸し」
では、何から着手すべきなのでしょうか。
結論から言えば、いきなりツールを契約するのではなく
「業務の整理(棚卸し)」から始めることです。
経営陣の意図と現場の困りごとをテーブルに乗せ、
関係者全員で共通認識をつくった上で、初めてAIやシステムの仕様を検討します。
参考:AIもシステムも、まずは対話から -正しさだけでは、進まない-
具体的には、対象とする業務を1つ選び、以下の要素を書き出してみます。
- 誰が、どんな情報をどこから受け取っているか
- その情報をもとに、何を判断しているか
- 判断結果をどこへ入力・転記しているか
- 最終的に誰に引き渡しているか
これらを可視化すると、次のような「AIに任せられる候補」が自然と浮き彫りになります。
- 同じ内容を複数の台帳やシステムへ二重・三重に入力している
- 人が手作業で過去資料を探し回っている
- 毎回似たような定型文や返信を作成している
- 担当者の頭の中にしかない判断基準(暗黙知)がある
現場担当者にとっては「当たり前すぎて疑問にすら思っていなかった作業」も、
第三者を交えて整理することで、改善の種が次々と見つかります。
AI活用を着実に定着させる「3つのステップ」
| フェーズ | 取り組み内容 | 期待できる効果・特徴 |
|---|---|---|
| ステップ1:個人の業務で使う | ChatGPTなどを使い、文章作成・要約・リサーチ・アイデア出しを個々で実施。 | 導入が手軽で研修も有効だが、汎用AIは自社の業務事情を知らないため、会社全体の生産性向上には限界がある。 |
| ステップ2:業務プロセスに組み込む | FAX・注文書の読み取り、問い合わせの自動分類、過去資料の横断検索などを業務フローに組み込む。 | 「個人の便利ツール」から「組織の業務改善」へと進化。手作業の削減効果が直接現れる。 |
| ステップ3:社内ナレッジをAIに学習・参照させる | 過去の図面、顧客ごとの対応履歴、ベテランの判断基準をAIが参照できるように整備。 | 「この案件は過去どう処理したか」「この顧客への注意点は何か」にAIが即答。技術承継・属人化解消が実現する。 |
AI導入で中小企業が陥りがちな3大失敗パターン
「ツール導入」が目的化してしまう
「とりあえず話題のツールを導入しよう」から始めると、目的を見失い形骸化します。
「どの業務の、どの負担を減らしたいのか」を先に定義することが不可欠です。
「単発の研修」で終わってしまう
研修直後は社員が触れてみても、普段の仕事フローと結びついていなければ次第に使われなくなります。
「自分たちの実務のどこで使うか」の設計まで伴走する必要があります。
最初から「大規模システム」を作ろうとする
AI分野は技術進化が非常に速いため、要件を詰め込んだ巨大システムを長期間かけて開発するのはリスクが伴います。
「小さく試す → 効果を検証する → 改善して広げる」というアジャイルな進め方が成功の鉄則です。
山梨県でAI導入支援会社を選ぶときのポイント
AI導入について外部の会社へ相談する場合には、
技術力はもちろん、次のような点を見ることをおすすめします。
自社の現場業務に親身に耳を傾けてくれるか
AIに詳しいことと、業務改善ができることは別物です。
業務の整理や課題の深掘りを一緒に行ってくれる姿勢があるかを見極めます。
「AIを使わない選択肢」もフラットに提示できるか
課題によっては既存機能の活用やフローの変更だけで解決できる場合もあります。
AIありきではなく、最適な手段を柔軟に選んでくれる会社が安心です。
研修から開発・運用まで一気通貫で伴走できるか
AI活用には、業務改善とシステム、
そして人材育成の両方が必要になるケースもあります。
業務整理、研修、試作、システム開発、運用まで相談できると、
取り組みを継続しやすくなります。
顔を合わせて現場に駆けつけられる距離感にあるか
中小企業の現場改善では、対面で「これは使える」「ここは修正が必要」と
試行錯誤できる関係性が大きな成果の違いを生みます。
県内に拠点があり、足を運べるパートナーは心強い存在です。
まとめ:自社の仕事を見つめ直すことからすべてが始まる
AI導入の検討を始める段階で、「何を作るべきか」が
完璧に決まっている必要はまったくありません。
むしろ、「AIで何かできそうだが、どこから手をつけるべきかわからない」という段階こそ、
相談に最適なタイミングです。
人手不足を解消したい、現場の負担を軽くしたい、ベテランのノウハウを次代に残したい。
AIはそうした経営課題を解決するための強力な手段の一つです。
まずは身近な日々の業務を書き出し、見つめ直すところから第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
支援事例(山梨県内)
以下は当社が支援した山梨県のAI活用事例の一部です。
株式会社ユーシン(製造業):
受注情報の入力業務をAI-OCRで効率化。
FAX・PDFで届く注文書をAIが読み取り、
システムへの転記作業を削減。お客様側の注文方法は変えずに導入。
受注登録を1時間から10分へ短縮、作業時間83%削減 — 段ボールメーカー・ユーシン様のAI-OCR導入事例
都留市役所 上下水道課(自治体):
住所情報の照合作業を生成AIとベクトル検索で自動化。
表記ゆれのある住所データの突き合わせを、人手からAIへ。
住所の自動照合を約1%→約80%へ。LINE申請率7割、確認は1分。水道開閉栓のオンライン化をAIで進化
都留市役所(自治体)
生成AIの庁内導入に向けた動きのなかで、いきなりツールを入れるのではなく、
まず職員が正しく理解し、安全に使えるリテラシーを身につけてから進めたい。
「何ができるかわからない」から「業務に活かしたい」へ。
「知る」から「業務に活かす」へ。文書作成・情報整理から始める、自治体の生成AI
私たちがお力になれそうなことがあれば
是非、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q. 何をやりたいか決まっていない段階でも相談できますか?
A. はい、もちろんです。むしろ「何から始めればいいかわからない」段階からの
ご相談が多く、まず現在の業務を一緒に整理するところから始めます。
Q. 生成AI研修・ワークショップだけの依頼も可能ですか?
A. はい、可能です。企業・自治体向けに実施しており、
自社の業務のどこでAIを使えるかを参加者と一緒に考える内容です。
Q. 対応エリアはどこですか?
A. 山梨県内全域に対応しています。
東京都・長野県・静岡県の企業・自治体とのお取引実績もあります。
継続的に直接会いに行けるお客様とのお取引を大切にしています。